“ニコチン依存症”は、悪習慣ではなく病気です

 

煙草をやめようと思ってもやめられないのは、ニコチン依存症という病気にかかっているからで、意志が弱いからでも単なる悪習慣でもありません。いったんこの病気にかかると容易には抜け出せないのですが、ひとつだけはっきりといえることは「ニコチン依存症は治らない病気ではない」ということです。

 

ただし治癒のためには医師や看護士の指示に従い、きちんと受診し、処方された薬を正しく使用・服用しなければなりません。ニコチン依存症には、身体的依存と精神的依存のふたつの側面があります。

 

身体的依存は、まさしく脳や身体がニコチン依存になっていることです。ニコチンが切れると脳の働きが低下し、イライラしたり、胸が苦しくなったり、頭痛がすることもあります。

 

精神的依存は、煙草がないと自分はダメだ、煙草を吸っているときの自分がいちばん自分らしい、煙草を吸うと仕事がはかどりアイデアが浮かぶなどと思いこんでしまっていることです。

 

このような身体的・精神的の両面に現れるニコチンの禁断症状をできるだけ抑えながら、「煙草が必要のない身体と心」に戻していくのが禁煙治療の目的なのです。また禁煙治療は健康で長生きするための予防医学でもあり、禁煙以外にも効力を発揮します。