禁煙によって変わっていく、ひとの心と身体

 

禁煙を開始して、誰でも直面する最初のヤマ場を過ぎると、ほとんどの禁煙者が自分の身体の変化を明らかに感じとれるようになっています。疲れにくくなった、呼吸が楽になった、食事がおいしくなったなど、各人各様ですがさまざまな身体の変化が見られるのです。

 

もちろん、また煙草が吸いたくなることもあるでしょう。イライラして落ちつかないひと、禁煙を続ける自信がないというひともいます。でもそんな不安や焦燥はあたりまえのことです。なにしろ10年、20年と喫煙してきたのですから、禁煙にそんなに早く身体と脳が順応してくれるはずもありません。

 

ニコチンガムなどの助けを借りながら、焦らず禁煙を成功させていくことが肝心でしょう。禁煙を続けていくと、同時に肺ガンの恐怖も遠ざかっていきます。咳や痰(たん)が出るたびに感じていたガン不安が消えていくのです。

 

また、のどがいがらっぽく感じるたびに頭をよぎった喉頭ガンの恐怖、食べ物がつかえる感じがするたびに襲われていた食道ガンや胃ガンの恐怖。そのほか、身体のどこかに違和感があるたびに「もしや」と思ってしまうガンの恐怖。そんなガンの恐怖は、禁煙の日数が増えていくのと正比例して確実に遠のきます。これが心によくないわけがありません。