恐るべき一酸化炭素の“害力”を知っていますか?

 

禁煙治療を開始するにあたり、呼気に含まれる一酸化炭素濃度を測定するのがふつうです。一酸化炭素は自動車や工場の排気ガスに含まれている有毒ガスで、この一酸化炭素の体内濃度が煙草を吸うことによってグンと高くなります。

 

煙草の煙に含まれている一酸化炭素はニコチンと沿うように血管にダメージを与え、動脈硬化を進行させていきます。心臓への血流を阻害し、狭心症や心筋梗塞を引きおこす原因にもなり、また脳の血流もわるくさせるため脳卒中の引き金となります。

 

酸素に比べて200倍以上も赤血球中のヘモグロビンを結合する作用が高いことが、一酸化炭素のほんとうの恐ろしさ・“害力”です。煙草を吸うたびに肺の中に入ってきた一酸化炭素が血液中に入ると、酸素よりも早くヘモグロビンと結合してしまうのです。

 

こうなると、酸素が脳に溶けこむ量は当然減少。酸素が少なく一酸化炭素が多い血液が全身をめぐるわけですから、全身の細胞は酸素不足、身体はつねに酸欠状態です。喫煙者がたえず感じている倦怠感や疲れやすさ、頭痛などは煙草の一酸化炭素によって生じているもの。禁煙をすれば、まずこの言葉に表しようもない身体のけだるさから誰もが解放されることはまちがいありません。